ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > まちの財政 > 平成29年度 > 施政方針 > 平成29年度施政方針
令和6年度

平成29年度施政方針

更新日:2017年4月1日更新 印刷ページ表示

国内外の情勢

 今日の世界経済は、一部に弱さが見られるものの、全体としては緩やかに回復しており、我が国においても同様に、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調が続いています。しかし、アメリカ新大統領の経済政策やイギリスのEU離脱交渉の開始、中国を始めとしたアジア新興国等の経済の先行きに関しては今後を見通せない部分も多く、その不確実性による影響については、留意する必要があります。
 こうしたなか、平成29年度の政府予算案では、従来の「三本の矢」を強化した「新・三本の矢(戦後最大の名目GDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロ)」に沿った施策を一体的に推進することで、成長と分配の好循環を確立し、日本経済全体の持続的拡大均衡を目指すものとされています。
 国の地方財政計画においては、一億総活躍社会の実現、地方創生や防災・減災対策の推進など、地方が安定的な財政運営を行うことができるよう、一般財源総額について、前年度を0.4兆円上回る62.1兆円が確保されているところです。

平成29年度の予算編成

 当町の平成29年度予算は、一般会計が前年度に予算計上していた学校施設耐震化事業や北交流センター新築工事が終了したことから前年度比32億3百万円減、率にして14.9%減の、歳入歳出総額182億3千9百万円とし、5つの特別会計を含めた全会計予算で、前年度比31億3千1百万円減、率にして9.2%減の総額310億6千万円の予算編成といたしました。

 一般会計の歳入においては、不透明感を増す国際経済情勢から前年度の税収動向がそのまま継続すると見込むことはできませんが、今期の町内製造業は前期の好調を概ね維持していることや大型商業施設の増床オープン等の影響もあり、町税は、前年度比4億4千5百万円、6.0%増の78億1千万円を計上しています。反面、前年度の法人町民税の大幅な増加を反映して、地方交付税、臨時財政対策債は合わせて前年度比6億9千5百万円の減少を見込まざるを得ず、厳しい予算編成となりました。しかしながら、「第4次総合計画」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた政策、施策、事業を着実に実施し、合わせて、私が町民の皆様にお約束した3つの宣言に係る諸施策を進めるため、前年度決算剰余金の活用や財政調整積立基金の取崩しによって財源確保したほか、前年度予算で計上した繰越事業と合わせて切れ目のない事業を推進することとし、財政の健全性を確保しながら着実なまちづくりを推進する予算といたしました。

 歳出においては、ハード面で3大事業と位置付けている向洋駅周辺土地区画整理事業、公共下水道事業、学校施設耐震化事業を継続して実施しますが、そのうち学校施設耐震化事業は整備最終年度を迎えます。都市基盤整備も引き続き着実に実施し、道路新設改良、橋りょう長寿命化、公共下水道長寿命化事業のほか、補助街路整備事業ではみくまり北小学校線の用地取得等、南小学校青崎東線整備事業では道路改良工事を行い、一部供用開始を行います。小・中学校の空調設備整備については前年度からの繰越事業と一体的に進め、中学校は平成29年度から、小学校は平成30年度から空調設備の整った授業環境で児童・生徒が学習できることとなります。また、開館後60年を経過した府中公民館については、その周辺施設を含めた一体的な整備を視野に入れた改築に係る基本設計、実施設計に着手します。

3つの宣言の実現に向けた取り組み

「広島都市圏で一番の子育てしやすいまち」の実現

 3つの宣言に係る施策としての新規、拡充事業を掲げますと、宣言の一つ目、「広島都市圏で一番の子育てしやすいまち」の実現では、子育て支援を結婚、妊娠、出産、育児の各ステージで施策を切れ目なく展開するため、地域少子化対策強化事業でイクフレカード推進事業や結婚支援サポート団体への支援、不妊治療費助成事業では特定不妊治療に加え不妊検査・一般不妊治療の助成を開始します。対象年齢を拡充した子ども医療費助成制度がスタートするほか、子育て支援業務の窓口に利用者支援員に加え母子保健コーディネーターを配置して府中町子育て世代包括支援センターとしての体制整備を行い、子育て支援と母子保健を調整して、一人ひとりに合った継続支援を実施します。保育所待機児童ゼロを継続するため、保育所施設整備費補助を継続するとともに、小規模保育所整備助成を行い、保育所定員数の拡大を図ります。子育て世代の住宅リフォームを支援する補助制度を創設するほか、北交流センターが開館することにより、児童センターが南北に配置されることになります。

「志を育む教育のまち」の実現

 宣言の二つ目、「志を育む教育のまち」では、教育委員会事務局に学校支援室を設置して学校運営改善推進事業を進め、事業の各段階において進捗状況を公表します。小・中学校児童・生徒の学習支援として、夏休み期間中に図書室を開放して児童・生徒の自主学習の場とする小・中学校教育支援事業を始めるとともに、放課後子ども教室推進事業では同じく夏休み期間中に、各小・中学校で地域、学生ボランティアを活用した学習支援を始めます。小・中学校の学習環境の整備として、小・中学校の机の更新計画を前倒しし、平成29年度中に全ての小・中学校の机、椅子の更新を完了させます。学校ICT環境整備事業では府中中央小学校をICTモデル校に指定して、電子黒板やタブレットの整備を拡大し、ICTを活用した授業改善について調査・研究を行います。前年度から引き続き中学校2・3年生の英語検定受検経費を計上したほか、地域力を学校教育に生かすコミュニティ・スクールを小学校1校から小・中学校3校に拡充し、将来的には全7校がコミュニティ・スクール実践校となるよう推進します。

「バランスのとれた行政施策」の展開

 宣言の三つ目、「バランスのとれた行政施策の展開」では、つばきバスを含む公共交通の利便性の向上に向けて検討するため、交通政策の専門家や交通事業者等で構成する(仮称)府中町地域公共交通協議会を設置します。
 福祉分野では、介護支援、障害者支援、子育て支援のボランティア活動にポイントを付与する福祉ボランティア制度を新設するほか、自立支援医療(精神通院)受給者の社会保険加入者に対して国保被保険者と同様に自己負担の1/2を助成する精神障害者通院医療費助成事業を開始します。国民健康保険特別会計では、国保税水準を抑制するための法定外繰入金を前年度並みの8千万円確保したほか、府中町国民健康保険データヘルス計画に基づき糖尿病性腎症重症化予防事業を実施します。介護保険特別会計では、第6期介護保険事業計画の最終年度へ向けて、基盤整備として定期巡回・随時対応訪問介護看護サービス事業所1ヶ所、小規模多機能型居宅介護事業所1ヶ所、小規模特養1ヶ所を公募選定することとし所要の予算を計上しました。地域支援事業では認知症初期集中支援チームを新規に立ち上げるなどして、取り組みを加速化します。
 子どもの貧困対策として、子ども医療費助成制度の対象年齢の拡充に合わせて住民税非課税世帯の医療費一部負担ゼロを継続するほか、小学校5年生・中学校2年生を対象とした子どもの貧困対策実態調査を実施します。
  安全安心のまちづくりとしては、防災行政無線デジタル化整備の本年度完了を目指すとともに、救急出動の増加に対応して老朽化した119番交換機の更新を行います。自主防災組織の育成支援として資機材購入費等の助成を行います。土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定を受けて、府中町総合防災マップを改訂し、当該区域に特化した避難対策を示したハザードマップを作成するとともに、土砂災害等対策住宅改修促進事業を創設します。木造住宅の耐震化を進めるために木造住宅耐震診断や耐震改修費の補助金を計上しました。犯罪の起こりにくい安全なまちづくりのため、当町の強みである地域力を生かした活動はもとより、町内交差点等に防犯カメラを設置します。
  環境分野では、子どもから大人まで楽しく憩える自然と共生する快適環境を推進するため、水分峡森林公園等再整備計画及び地域の広場等の公園リニューアル計画を策定し、公園の再整備の方向性を定めます。
 笑顔の役場創出、職員の人材育成としては、従前からの職員研修に加え、住民サービス向上研修や職員の自主学習を促すためのテキスト購入、自己啓発の取り組みに対する支援制度を新たに設けるとともに、役場執務環境の改善を推進します。
 本年は府中町の町制施行80周年の節目となる年であり、4月1日に開催する記念式典を皮切りに各種の記念事業、イベントを開催するとともに、当町の認知度向上に向けた情報発信を行い、子育て世代の移住につながるプロモーションを推進します。
 その他、住民票等の証明書等のコンビニ交付を本年9月からサービス開始するほか、男女共同参画、人権の推進、商工業支援、健康づくりなど幅広い住民ニーズに対応するバランスのとれた行政施策を展開する予算といたしました。

「住んでよかった、これからも住み続けたい、住んでみたい」まちづくりを

 平成29年度予算は、私が府中町長に就任して取り組む初めての当初予算であります。「第4次総合計画」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた政策、施策、事業を着実に実施する予算、そして私が町民の皆様にお約束した3つの宣言で掲げた取り組みについても、その要素を随所に盛り込んだ予算となっているものと考えています。これらの諸施策でしっかり成果をあげ、誰もが「住んでよかった」、「これからも住み続けたい」、「住んでみたい」、そう実感できる府中町を目指して、精一杯取り組んでまいる所存でございますので、町民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

府中町長 佐藤信治

 

関連情報

<外部リンク>