人類史上最初の原子爆弾による惨禍を経験し、昭和57年3月に広島県内で一番初めに「非核町宣言」を行い、「非核都市宣言」を全国に広める先駆けとなった府中町は、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を全世界に訴え続けていく必要があります。
平和への決意を新たにするとともに、核兵器廃絶と平和を願う声が世界の隅々まで届くよう祈念いたします。
本日ここに、皆様方のご参列のもと、府中町原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を挙行するにあたり、原子爆弾の投下により犠牲となられました多くの御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。そして、今なお、被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
78年前の今日、8月6日午前8時15分、一発の原子爆弾が広島に投下されました。一瞬のうちに街は壊滅し、多くの尊い生命が奪われ、人々の心と体に今なお癒えることのない傷を残しました。
時を経て本年5月、同じこの広島の地で、「G7広島サミット」が開催されました。各国首脳がこの地に集い、原爆資料館を実際に見学し、被爆の実相を肌で感じていただいたことは、核兵器のない世界という目標に向けて、大きな一歩であったと思います。
今現在、広島は多くの人が平和に明るく暮らすまちになっています。これは、先人たちが二度と戦争を起こしてはいけないという強い信念をもって取り組んでこられた賜物であることを、私たちは決して忘れてはなりません。
戦後に生まれた私たちも、本日式典に参列してくださった児童、生徒の皆さんも、全員が将来の世代に対する責務を持つ当事者です。被爆者、戦争経験者の高齢化が進み、実体験として被爆・戦争体験を伝えることのできる方々が次第に少なくなっていますが、被爆者、戦争経験者の方々の思いを引き継ぎ、被爆・戦争体験を次世代に伝えるとともに、「核兵器廃絶と恒久平和」の実現に向けて、平和の尊さを発信する取り組みに、より一層尽力していくことが私たち全員の使命です。
結びに、原子爆弾の犠牲となられた多くの御霊のご冥福を祈念いたしますとともに、被爆者並びにご遺族の皆様、式典へのご協力をいただいた関係団体の皆様、そして「平和」への思いを未来へ受け継いでいく皆様の、ご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げまして、式辞といたします。
開式にあたり式辞を述べる佐藤町長
献花する佐藤町長
町内小中学生の児童、生徒が作成した折り鶴を奉献する様子(左から府中緑ヶ丘中学校 西 達矢さん、府中中学校 伊藤 怜香さん、荒平 和奏さん)
平和へのメッセージを発信する様子(左から府中中学校 河野 苺々さん、府中緑ヶ丘中学校 西 達矢さん)