9月29日、府中中央小学校6年生の児童に対して、府中町民憲章と非核町宣言に込められた願い、ロシアへの抗議文について講話しました。
中央小学校では、総合的な学習の時間に「平和-未来に向かって-」をテーマに学習しており、その一環で今回児童の皆さんへ講話をすることとなりました。
町民としての合言葉である府中町民憲章は、「1.会えば気軽にあいさつを」、「2.心もからだも すこやかに」、「3.子どももおとなも 豊かな教養」、「4.若人に活気を 年よりに生きるよろこびを」、「5.水は清く 山は緑に美しく」の5つあり、府中町そして府中町民はこのようにあろう、このようにあってほしいという先人達の強い思いが結集されたものです。
新型コロナウイルス感染症の影響で、地域活動の中止や外出自粛など、たびたび起きている状況であり、人とのつながりが薄くなったりと日々の生活に制約を感じることが多いかもしれません。そんな時、この5つの合言葉を心に留めて置いて欲しいです。
77年前、1945年の8月6日午前8時15分、広島に原子爆弾が落とされ、広島のまちは一瞬にして壊滅しました。広島市の爆心地から約5キロと近い位置にある府中町では、仕事や学校で広島市に出かけていた多くの町民が犠牲となりました。
そのため、府中町は、世界の恒久平和を願い、核兵器を作らない、持たない、持ち込ませないという非核三原則を胸に、あらゆる国の核兵器の使用に反対し、安心で住みよい街づくりを実現するという宣言をしました。
みなさんが生まれ育った府中町は、この非核宣言の輪を広めるための組織を設立し、日本だけでなく世界の自治体に核兵器の廃絶と恒久平和の実現を訴えるなど、非核宣言を広める中心となった町なのです。
平和を実現するためには、自分自身が平和を願うことももちろん大事ですが、他の人に伝えて広げることがより大きな力となります。
府中町は、今年の3月、ウクライナ侵攻を始めたロシアに対して、抗議文を送りました。府中町はロシアという大きな国からすると外国の小さな町ですが、黙って見ているのではなく、思いを発信することが大事だと考えています。
私たちは安心して豊かな社会の中で生活していますが、これは、皆さんのおじいさん、おばあさん、そのさらにお父さん、お母さんを含む、多くの人たちが必死に努力して積み重ねたものです。
平和も、あいさつも人と人とのつながりであり、あいさつは平和につながっています。町民憲章にある「会えば気軽にあいさつを」により争いを回避し、平和につながる力となると考えています。
皆さんはこれから、府中町内だけでなく、世界中で活躍する大人になられるかと思います。
どうせやっても・・・というのではなく、未来を担う皆さんが、自らの意志を持って、これからみんなと力を合わせて、できることに取り組んでいってください。
平和について講話する佐藤町長
質問をする児童の様子