人類史上最初の原子爆弾による惨禍を経験し、広島県内で一番初めに非核自治体宣言をした府中町は、核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を全世界に訴え続けていく必要があります。
原子爆弾の犠牲となられました多くの御霊のご冥福をお祈りするとともに、決意新たに、世界恒久平和実現に向け、核兵器根絶へ向けた取り組みを続けてまいります。
本日ここに、皆様方のご参列のもと、府中町原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を挙行するにあたり、原子爆弾の投下により犠牲となられました多くの御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。そして、今なお、被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
まず始めに、本年の式典が昨年、一昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小しての挙行に至りましたことを、被爆者の方々をはじめ関係者の皆様におかれましては、なにとぞご理解いただきますようお願い申し上げます。
77年前の今日、8月6日午前8時15分、一発の原子爆弾が広島に投下されました。一瞬のうちに街は壊滅し、多くの尊い生命が奪われ、人々の心と体に今なお癒えることのない傷を残しました。
そして現在においても、今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、子どもを含む多くの市民の尊い命が犠牲になり、核兵器の使用さえも危ぶまれる状況に、世界中の人々が心を痛めています。
その一方で、今年は核兵器禁止条約の締結国会議が初めて開かれた年でもあります。残念にも日本は参加しなかったものの、核の傘の下にある諸国もオブザーバー参加をし、核兵器の正当性を否定する核兵器禁止条約への道義的支持を示しました。
さらに、先だって、新型コロナウイルスの影響により延期されていた核拡散防止条約の再検討会議が7年ぶりに開催され、日本の総理大臣として初の出席を果たした岸田総理大臣は、核兵器不使用の重要性を改めて訴えました。これらは、核兵器廃絶への道のりにおいて、確かなる前進の一歩であると確信しております。
原爆投下から77年を迎え、被爆者、戦争経験者が次第にいなくなっていく現在、私たちは、すべての被爆者の方々や将来の世代に対する責務として、「核兵器廃絶と恒久平和」の実現に向けて、被爆・戦争体験を次世代に伝えるとともに、平和の尊さを発信する取組みに、より一層尽力しなければなりません。
結びに、原子爆弾の犠牲となられた多くの御霊のご冥福を祈念いたしますとともに、被爆者並びにご遺族の皆様、式典へのご協力をいただいた関係団体の皆様、そして「平和」への思いを未来へ受け継いでいく若い世代の皆様の、ご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げまして、式辞といたします。
式辞を読み上げる佐藤町長
式典の様子
献花する佐藤町長
平和メッセージを読み上げる生徒代表