キッズ環境調査プロジェクトとは、町内の各小学校の子どもたち自らの視点で行う環境調査を通して、府中の自然や環境問題へ興味をもち、環境を守るために何ができるかを考えていくプロジェクトです。
子どもたちが考えたことを私たち大人がしっかりくみ取り、きれいで住み良い府中町になるよう学校、地域、行政で協力しあい活動することを目指しています。
※プロジェクトの概要および報告書は、このページ下からダウンロードすることができます。
キッズ環境調査を行う前に、府中町の自然・生活環境や地球温暖化防止についてのアンケートを行いました。
その結果「府中町の好きなところはどこですか」と自由記述で書いてもらったところ「自然が多いところ」「公園等遊べる施設が多い」「人がやさしい・親切」と多くの子どもたちが回答している。それに続いて「お店や施設があって便利」が多く、子どもたちにとって「自然」もあり「便利」な町と思う児童が多いと推察されます。
また「山・川などで自分がやりたいこと」で「調査・勉強したい」「木の手入れをしたい」の項目で回答が大幅に増えていることから、山や自然に対して関心・愛着が増加していることがうかがえる結果となりました。
ごみ(ポイ捨て)については、たばこの吸殻や、菓子袋などのポイ捨てが多いという回答が多く、また、公園へ落ちているという回答が大幅に増え、ごみ環境の悪化がわかる結果となりました。
各小学校では、児童がどのような意識や関心を持っているかをもとに、それぞれの学校で取り組むテーマを設定し、子どもの視点に立った環境調査などを行い、地域の環境について考え、体験や学習を深める活動を行いました。
年間を通じて環境教育に取り組んできました。
1学期には、社会科「住みよいくらしをつくる」の学習と関連させながら、ごみ調べやパッカー車の見学を通して府中町の環境について考えたり「水辺教室~水分峡の水質調査」などの学習を行ったりしました。
2学期には、広島県緑化センターで自然観察学習を行い、木や森林の働きについて考えました。また他教科・領域でも、環境学習と関連づけて学んだり、自分たちの生活と結び付けて考えたりしながら学習してきました。
学習したことをノートや模造紙にまとめることで、自分なりに感じたことや考えたことを整理することができました。さらに、グループで環境に関わるテーマを選んで調べ、新聞や紙芝居にまとめて発表したり、他グループの発表を聞いたりして、環境を守るために行動する意識が高まりました。
現在、地球温暖化が進んでおり、私たちにとって環境問題はとても身近な問題であるという課題意識をもたせることにより「地球でどんなことが起こっているかについて正しい知識を基に自分たちにできることはないかという課題を解決するために主体的に判断し、行動していく」ことの大切さを感じることができました。
地球温暖化防止への取組として、学校では教室や廊下などの電気の節電をしようという児童の意識の高まりがありました。今後、家庭の取組みへとつなげたいと考えています。
環境問題について自分たちの住む環境をよりよくしていきたいという意識をもつことができました。
また、学年末の参観日にまとめたものを発表する機会をもち、お家の方に環境を守ることについて発信することができました。
「水分峡水辺の教室」では、公衆衛生推進協議会の人から、指標生物の分類を使った水質調査方法について教わりました。児童は、科学的に環境調査をする方法について興味をもつことができました。
さまざまな体験を通して、多くの児童が自然を大切にしたり、生き物に愛着をもって接したりする態度を身につけることができました。また公衆衛生推進協議会主催の「東環境まつり」の発表では、自分たちの学習の成果を地域のみなさんに発信することができました。そのことを通して、児童の自己有用感を高めることができました。
そして、校内の水生植物園や自然観察園の整備やグリーンブックの作成によって、児童が身近な自然にも目を向けるようになりました。
地域や専門機関の方々のサポートを得て水辺の教室や下水道出前講座などの体験的な活動を組み入れることができたおかげで、児童自らが課題を見つけ、もっと調査や実践をしていきたいという意欲を高め、持続することができました。
ふだんの学校生活でも行える小さなひと手間、例えば牛乳パックをコンパクトにまとめれば、ごみの減量化ができるなどの意識が児童に芽生え、行動化できるようになっています。また家庭でも広げようとしている児童がいます。
水害という想定外の事態が起こったが、自分たちが調査活動を行い身近に感じていた榎川で起こった災害だっただけに「環境と防災」のかかわりについても、児童らの課題意識が高まりました。
キッズ環境調査プロジェクトは、子どもたちが感じたことを私たち大人がしっかりくみ取り、きれいで住み良い府中町になるよう学校、地域、行政で協力しあい活動することを目指しています。